この記事のポイント
- 昭和は整える時代。七三分け・角刈り・リーゼントを、ワックスでびっしり固めていました
- 平成は魅せる時代。同じワックスでも、固めるためではなく動かすために使うようになりました
- 令和は選ぶ時代。街中が同じ髪型であふれる、という光景は少なくなりました
- 今は「これがトレンド」と一つに絞られていないぶん、自分に合う髪型を選びやすくなっています
- 選択肢が増えたことは、ウィッグを使う方にとっても追い風になっていると考えています
髪型のトレンドは、10年もすれば見た目がまるごと入れ替わります。昭和の街で当たり前だった髪型を今そのままやったら、たぶん浮きます。逆に今の髪型を昭和に持っていっても、同じことが起きるはずです。東京・新橋の固定式メンズウィッグサロンバンビーニーの代表が、昭和から令和までの男性の髪型トレンドを動画で振り返りました。この記事では、その中身を整理します。
先に結論をお伝えすると、この50年ほどで変わったのは髪型の形だけではありません。トレンドとの付き合い方そのものが変わりました。整える、魅せる、選ぶ。ひとことで言うと、この3段階です。
昭和は「整える」時代でした
🎬 坂野てんくが動画で話していたこと
「昭和の男性の髪型といえば、七三分けだったりだとか、角刈りだったりだとか、あとはリーゼントがトレンドとして上がっておりました。この時期は整える時代でしたね。ワックスとか使ってびっしり整えるのが、この時のトレンドでした」
七三分け、角刈り、リーゼント。並べてみると形はまるで違いますが、共通していることがあります。どれも、乱れていない状態を良しとしているということです。
七三分けは分け目がまっすぐ通っていることに意味があります。角刈りは面が揃っていること。リーゼントに至っては、あの形を1日保たせるために相当な量の整髪料を使っていたはずです。動かないこと、崩れないことが価値でした。
だからワックスやポマードの役割も、今とはまるで違います。当時の整髪料は固めるための道具でした。朝セットした形を、夜まで動かさない。そのための材料です。
ただ、昭和もずっと同じだったわけではありません。後半にさしかかると、マッシュルームヘアや長髪ヘアが出てきます。ここから少しずつ、髪を固めない方向へ流れが向かっていきました。
平成は「魅せる」時代へ
🎬 坂野てんくが動画で話していたこと
「平成に入ると、ワックスを使って固めるから遊ばせるという流れになりました。前半は長髪のロングスタイルが主流だったんですけれども、後に茶髪にトレンドなったりだとか、あとはソフトモヒカンとか短髪とかが流行って。どちらかというとワックスを、固めるものではなく遊ばせる、髪の毛を遊ばせるためのものになりましたね」
平成でいちばん大きかったのは、ワックスの役割が入れ替わったことだと考えています。同じ整髪料なのに、目的が真逆になりました。固定するためのものから、動きを出すためのものへ。
平成の前半は長髪のロングスタイルが主流でした。その後、茶髪が来ます。ソフトモヒカンや短髪も流行りました。形としてはバラバラですが、どれも「毛先に動きがあること」を前提にしています。束感や毛流れといった言葉が普通に使われるようになったのは、この時期からです。
もう一つ、この時代の大きな変化があります。男性でも美容室に行くのが主流になってきたことです。それまで男性の髪は理髪店で切るもの、という感覚が強くありました。ここが動いたことで、男性が自分の髪型に手をかけることのハードルが一段下がったのだと思います。
令和は「選ぶ」時代になりました
🎬 坂野てんくが動画で話していたこと
「トレンドが一つボンとあるというよりかは、人みんなそれぞれで、自分に合う髪型を選ぶ時代になりましたね。昭和とか平成とかは、こういう髪型がトレンドになったら、その髪型が街をあふれていたんですけれども、どちらかというと今は本当、人それぞれの髪型、個性がある髪型だったりだとかしてます」
今の髪型を挙げるなら、マッシュ、センターパート、ニュアンスパーマ。髪色も黒髪に戻ってきました。ただ、これらを「令和のトレンド」とひとまとめにできるかというと、少し違う気がしています。
昭和や平成には、ある髪型が流行ると街中がその髪型であふれるという現象がありました。今はそれが起きにくくなっています。トレンドが無くなったわけではありません。無いわけではないけれど、一つに絞られていないのです。
だから、みんなで同じ髪型に執着する、ということが髪に関しては少なくなったのかなと思います。そのぶん、それぞれが自分に合うものを選んでいる。動画のなかでも、ここが今の時代のいちばんの特徴だという話をしています。
ちなみに、同じ髪型をオーダーしても人によって見え方が違ってきます。そのあたりはウィッグと雰囲気|同じオーダーでも人それぞれ違って見える話で書いています。
3つの時代を並べて比べると
| 昭和 | 平成 | 令和 | |
|---|---|---|---|
| ひとことで | 整える | 魅せる | 選ぶ |
| 代表的な髪型 | 七三分け・角刈り・リーゼント | 長髪ロング・茶髪・ソフトモヒカン・短髪 | マッシュ・センターパート・ニュアンスパーマ |
| ワックスの役割 | 固める | 動きを出す | 質感を整える |
| 切る場所 | 理髪店が中心 | 美容室が主流に | 目的に応じて使い分け |
| トレンドのかたち | 一つに集中 | いくつかの潮流 | 人それぞれ |
こうして並べると、髪型そのものより髪型との向き合い方が動いてきたことが見えてきます。合わせにいく時代から、選ぶ時代へ。
髪型のトレンドは、ウィッグにも関係があります
🎬 坂野てんくが動画で話していたこと
「昔はそういう七三分けとか角刈りとかということで、そういう生え際とかが露出してしまうじゃないですか。今は技術も進化してまして、際も自然に作れておりますので、そういう髪型にしてもバレにくいですし。なおかつ今のトレンドって、短いスタイルがトレンドになっているというわけでもなく、マッシュの髪型だったりだとか、長い長髪スタイルでもいろいろありますので、そういった点ではウィッグを着用していても自然に馴染むことが、今の時代は可能になっているんじゃないかなと思います」
ここが、髪型の歴史をウィッグの視点から見たときに面白いところです。昭和の主流だった髪型は、ウィッグにとっては難しい形でした。
七三分けは分け目で地肌が見えます。角刈りは生え際がはっきり出ます。つまり当時のトレンドは、隠したい部分がそのまま表に出る髪型だったわけです。しかも当時は技術の面でも、着けていることが分かりやすい部分がありました。条件が二重に厳しかったといえます。
今は事情が変わりました。理由は2つあります。
1つ目は技術です。際を自然に作れるようになったので、生え際が出る髪型でもバレにくくなりました。素材や固定方法の進化については今のメンズウィッグ、知っていますか?昔とは違う”3つの進化”で詳しく書いています。呼び名や役割がどう変わってきたかは「カツラ」から「ウィッグ」へにまとめました。
2つ目が、この記事の本題です。トレンドが一つに絞られていないこと。短いスタイルだけがトレンド、という状況ではありません。マッシュもあれば長めのスタイルもある。選択肢が広いということは、そのなかから自分の状態に合うものを選べるということでもあります。
技術の進化もありますが、髪型のトレンドという点から見ても、今は馴染ませやすい時代なのかもしれません。
ただし、流行を追いかけすぎないほうがいい場面もあります
💡 サロンスタッフの視点
当サロンでは、はじめてウィッグを着けられる方に「最初から短くしないほうがいいですよ」とお伝えすることがあります。今のトレンドが短めだからといって、いきなりそこへ振り切ると、周りの方の目に変化が大きく映ります。選択肢が広い時代だからこそ、今の自分の髪の長さから無理のない範囲で選んでいただくほうが、結果として自然に見えることが多いです。
選べる時代であることと、いきなり大きく変えることは別の話です。この長さの決め方についてはウィッグのトレンドとの付き合い方|最初から短くしないほうがいい理由で詳しく書いています。
また、髪型は担当者との相性でも仕上がりが変わってきます。何を相談できるか、どこまで汲み取ってもらえるか。当サロンでもカウンセリングに30分いただいているのは、ここを飛ばしたくないからです。
よくある質問
令和のトレンドの髪型は、結局どれですか?
マッシュ、センターパート、ニュアンスパーマあたりがよく挙がります。ただ昭和や平成のように「これ一つ」という状態ではありません。複数が同時に成り立っているのが今の特徴だと考えています。
流行の髪型にしたほうが若く見えますか?
流行かどうかより、その方の顔立ちや髪質に合っているかのほうが印象を左右すると考えています。トレンドの形をそのまま持ってきても、合わなければかえって年齢が出て見えることもあります。
ウィッグでも今どきの髪型にできますか?
できます。当サロンでは着けた状態からカットして仕上げますので、マッシュのような髪型も長めのスタイルもご相談いただけます。ただし今の髪の長さから急に大きく変えるより、段階的に近づけるほうが自然に見えることが多いです。
昭和の髪型はもう古いということですか?
そうは考えていません。七三分けもリーゼントも、今の質感やバランスに合わせて作り直せば成立します。実際、フェードカットと組み合わせた七三は今も人気があります。古いかどうかより、今の空気に合わせられているかだと思います。
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📝 この記事のまとめ
- 昭和は整える時代。七三分け・角刈り・リーゼントを、ワックスで固めていた
- 平成は魅せる時代。ワックスの役割が、固めるから動きを出すへ入れ替わった
- この頃から男性も美容室に行くようになり、髪型に手をかけるハードルが下がった
- 令和は選ぶ時代。街中が同じ髪型であふれる、という現象は少なくなった
- トレンドが一つに絞られていないぶん、自分に合うものを選びやすくなっている
- 選択肢が広いことは、ウィッグを使う方にとっても馴染ませやすさにつながっている
バンビーニーは東京・新橋の固定式メンズウィッグ専門サロンです。1ヶ月外れないウィッグで、寝ても洗っても外れません。今の髪型のまま自然に見せたい方も、これを機に変えてみたい方も、まずはご相談いただけたらと思います。
この記事を書いた人|坂野てんく
東京・新橋の固定式メンズウィッグサロン「バンビーニー」代表。1ヶ月外れないウィッグの提供と、髪や頭皮についての情報発信を行っています。YouTubeでも髪まわりの疑問にお答えしています。